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Q7.タレントの移籍問題について

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公開日:2020.02.07

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Q7.タレントの移籍問題について


私はアイドルとしてタレント活動をしていますが、今の芸能プロダクションの待遇が悪いので移籍を考えています。しかし、今のプロダクションとの間のマネジメント契約では事務所を辞める場合には一定期間タレント活動を禁止するという条項が設けられているので事実上移籍が困難になっています。このような条項を設けることは許されるのでしょうか?
A.回答

タレント、特にアイドルはアイドルとして活動できる期間はそれほど長くないので、一定期間芸能活動を禁止するという条項は実質的には移籍を禁止するような条項といえます。
  

このような条項を設けることは法律上一律に許されないという訳ではありません。もっとも、職業選択の自由という憲法上の権利を制約するものであるため、このような条項は無効と解釈される可能性は高いでしょう(裁判例でもこのような条項を無効としたものがあります)。

したがって、移籍を希望するタレントの方々は、上記のような条項を含む契約を交わしてしまった場合でも、多くのケースでは、そのような条項には拘束されないはずですというのが法的な回答となります。   

しかし、ここからが問題です。法的には上記のような回答になるとしても、退社を巡って事務所と揉めてしまった場合、そのタレントの移籍は上手くいくのでしょうか。芸能界、テレビ業界は本当に狭い世界なので、大手プロダクションと揉めてしまった場合には、他のプロダクションは受け入れにくいですし、番組、テレビ局も使いづらいというのが実情です。そうなると、契約条項の法的問題は解決できたとしても、業界の暗黙のルールのようなものを乗り越えられずに移籍ができないということになってしまいます。
  

この問題は、テレビ業界、芸能界の体質によるものなので、完全に解決を図るのは難しいですが、例えば退社時に弁護士を入れる場合などでは、単純に移籍を認めさせるということにとどまらず、その後の不利益な取り扱いをされないというところまで含めてプロダクションと綿密に協議し、円満な解決を目指すべきです。

単に抽象的に芸能活動を阻害しないという約束をするだけではなく、具体的に番組、プロダクションなどを想定しながら協議していくことが重要です。

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