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コラム

2020.11.23コラム

相続法改正 遺留分②


事例
被相続人  父
遺産  現金1000万円
相続人  母 長男 二男
父が死亡する11年前に、父から二男に1000万円の生前贈与あり(特別受益に該当するものとします)
全財産を長男に相続させる旨の遺言あり

この事例で各自の遺留分を計算してみます。

まず、遺留分は法定相続分の1/2ですので
母の遺留分は、1/2×1/2=1/4です
二男の遺留分は、1/2×1/2×1/2=1/8です

次に、遺留分を算定するための財産の価格は、被相続人が相続開始の時において有していた価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除した額(民法1043条)です。
そして、贈与した財産とは、相続人以外に対する贈与は死亡の1年前、相続人に対する贈与は死亡の10年前になされたものに限られます。

そうすると、母の遺留分は、1000万円×1/4=250万円となり、母は長男に対し、遺留分侵害請求することで250万円を得ることができます。

次に二男です。
二男の遺留分は、1/8ですので、1000万円×1/8=125万円となります。

そうすると、二男が遺留分侵害請求をした場合、長男は125万円を支払わなければならないのでしょうか。


結論としては、遺留分の侵害はないので、支払う必要はありません。
相続人に対する贈与(特別受益に該当するもの)は、相続開始前10年間に限られますが、民法1043条及び1044条は、遺留分を算定するための財産の価格を計算する場合の規定です。
そして、遺留分侵害額を計算する場合、遺留分から贈与された価格を控除します(1046条2項1号)。

二男の遺留分は125万円、そして1000万円の生前贈与を受けているので、遺留分以上の贈与を受けているので、遺留分侵害額はゼロ円となります。

なお、改正後の遺留分の規定が適用されるのは、令和元年7月1日以降に発生した相続からです。それ以前にお亡くなりになっているケースでは改正前の遺留分の規定が適用されます。

お亡くなりになった時期で、改正前の民法が適用されるか改正後の民法が適用されるか変わります。

また、遺留分侵害請求は、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知ったときから1年、これらの事実を知らなくとも相続開始時から10年間行使しないと時効により消滅してしまいます。

納得できない遺言がなされていたり、他の相続人に生前に多額の財産が贈与されている疑いがある場合、遺留分侵害請求をすることで、一定の遺産を取得できる可能性があります。

当事務所では、相続の問題に注力しております。まずは、お気軽にご相談下さい。

次回も遺留分の続きを記載したいと思います。以上