コラム

刑法改正 侮辱罪厳罰化

  • トップ
  • chevron_right
  • コラム
  • chevron_right
  • 刑法改正 侮辱罪厳罰化

公開日:2022.06.15

コラム

刑法改正 侮辱罪厳罰化


令和4年6月13日、侮辱罪の法定刑を引き上げる法案が参議院でも可決されました。
今回の改正により、侮辱罪(刑法231条)の法定刑は、拘留(1日以上30日未満)又は科料(1000円以上1万円未満)から、1年以下の懲役若しくは禁固または30万円以下の罰金に引き上げられます。

侮辱罪は、公然と人を侮辱した場合に成立します。
侮辱罪の保護法益は、客観的な社会的名誉(最1小決昭和58年11月1日刑集37巻9号1341頁)であり、名誉毀損罪との違いは、事実の適示の有無です。
事実の適示があれば名誉毀損罪、事実の適示がなければ侮辱罪です。

他方、民事の侮辱は、主観的な名誉感情が保護法益です。民事の侮辱は、人の人格的価値に対する、社会通念上許される限度を超える侵害の場合に成立します(最3小判平成22年4月13日民集64巻3号758頁)。
民事の侮辱は、主観的な名誉感情が保護法益ですので、刑法の侮辱罪と異なり、公然性が要求されません。

インターネット上で誹謗中傷を受け、誹謗中傷の内容が刑法の侮辱罪又は民事の侮辱に該当する場合、これまで通り、発信者情報開示請求や削除請求が可能です。投稿者を突き止めた後は賠償請求も可能です。

当事務所はインターネット上での誹謗中傷への対応に積極的に取り組んでおります。
誹謗中傷を受けてお悩みの方、誹謗中傷をしてしまった加害者の方、お一人で悩まれる前にまずはご相談下さい。