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問題社員対応(遅刻・欠席を繰り返す社員への対応)

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公開日:2020.11.04

FAQ

問題社員対応(遅刻・欠席を繰り返す社員への対応)


うちの会社の問題社員Aは、遅刻・欠勤が多く、欠勤は毎月2、3日、遅刻はもっと多いです。真に体調不良なのであれば仕方がないですがあまりに多いですし、急に休んだり遅刻されてしまうと引継ぎができていないので他の社員たちも困ります。しっかりと指導して心を入れ替えさせるか、無理であればやめてもらいたいと考えているのですがどのように対応すればよいでしょうか?
A.回答

このケースでは、指導により改善されるのかどうかを見極めたいとのことですので、まずは指導の方法から説明していきます。
遅刻・欠勤の常習者に対しては、口頭で簡単な注意・指導で済ますのではなく、始末書の提出を求める(就業規則上に「けん責」等という懲戒処分があるはずです。)ようにするべきです。書面を書いて出させるのが最も分かりやすいですが、メール等でも懲戒処分として形に残るものであれば良いです。
一般的に形に残るものの方が反省を促すことができ、指導の効果がありますし、改善されない場合には辞めてもらいたいと考えているのであれば、小さな懲戒処分を形に残しておくことは重い処分への実績作りになるからです。労働基準法やその他労働関係の法律では社員の地位は手厚く保護されており、そう簡単に解雇等はできません。そのため、最初はけん責処分等の軽い処分から始めていき、それでも繰り返す場合には、徐々に減給、出勤停止、諭旨解雇といった重い処分を行うことができるようになり、最終的には懲戒解雇という最も重い処分を行うことができるようになるのです。
会社の人間関係においては、仰々しくなってしまうので懲戒処分や書面を提出させることを避けてしまいがちですが、それではいけません。我慢して目をつぶってきて、腹に据えかねたのでいきなり解雇するというのでは、不当解雇になってしまいます。やりにくいかも知れませんが、必ず上記のような軽い懲戒処分を行うようにして下さい。「●●(上司や、場合によっては顧問弁護士でも良いでしょう)に始末書を提出させるよう言われちゃったから悪いけど書いて。」という具合でも良いです。会社のルールとして、1つ1つの問題に対してしっかりと懲戒処分を行うことが当たり前になってくれば、やりにくいという想いも消えるはずです。指導・注意をして改善するかどうかを見極める際には、必ずこういった手続を履践して下さい。

では、指導・注意を繰り返しても改善されない場合に、Aを退職させることはできるのでしょうか。
恐らく就業規則には「しばしば遅刻・無断欠勤を繰り返す場合」には懲戒解雇ができるという規定があるかと思われますが、実際はそれだけでは足りず、法律では懲戒解雇に社会的相当性があると言えなければ、その懲戒解雇は正当なものにはなりません。そしてその社会的相当性の根拠の1つとなるのが、上記のような軽い懲戒処分(けん責、減給、出勤停止等)を順に行っていったかどうかということになるのです。遅刻が数回にわたれば始末書を書かせ、それでもなお繰り返すようであれば減給処分にし、それでも治らなければ出勤停止とし、それでもだめならば、そこでようやく懲戒解雇を行うことができるようになります(※遅刻・欠勤の程度にもよりますので、必ずしもそうではなく、ケースバイケースの判断になります。なお、このような順を追った懲戒処分は、今回のような遅刻・欠勤のケースだけでなく、多くのケースへの対応に当てはまります。)。会社の対応としては大変ですが、だからこそ、指導・注意を行い改善を見極める期間から、将来の解雇に向けた準備を行っておく必要があると言えます。

また、解雇をするのではなく、自主退職を促す退職勧奨という方法もあります。遅刻・欠勤の多い社員には、やる気を失っている者が多いので、退職勧奨に応じやすい場合があります。そのような者に対しては、労基署や裁判所を使われるリスクが高まる懲戒解雇処分を行うよりも、穏当な退職勧奨により自主退職してもらう方が紛争化のリスクを防ぐことができるので効果的です。