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相続法改正 遺産分割前の預金払戻

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公開日:2020.10.30

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相続法改正 遺産分割前の預金払戻


相続法が改正され、遺産分割前であっても一定額の預貯金を引出すことができるようになりました。
今までは、遺産分割が終わらないと預金を下ろせなかったので、お亡くなりになった方の収入で生活していた方の生活費が足りなくなったり、葬儀費用の支払いに困ることがありました。
なお、葬儀費用は、本来は喪主が負担するのが原則です。お亡くなりになった方の財産からは支出するものではありません。

さて、遺産分割が済んでいなくとも預金の引出しは可能ですが、無制限に引き出せるわけではありません。
上限は
①各預貯金額の1/3×法定相続分
②金融機関ごとに150万円
です。

例えば、
相続人が配偶者と子供一人の場合

A銀行に120万円の普通預金、120万円の定期預金
B銀行に1200万円の普通預金

A銀行
普通預金120万円×1/3×1/2(法定相続分)= 20万円
定期預金120万円×1/3×1/2(法定相続分)= 20万円

B銀行
普通預金1200万円×1/3×1/2=200万円
※上限が150万円のため150万円
となります。

そして、払い戻された預金は、分割されたものとみなされます。

遺産分割が終わっていないうちから預金を払い出せるなんて便利になりましたね。

次回は、分割前に払い出しをした相続人に特別受益があり、具体的相続分を超えて、預金を受け取った場合について記載したいと思います。