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Q8.使用者がハラスメントに関する責任追及を回避するための予防策(4)

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公開日:2020.02.18

FAQ

Q8.使用者がハラスメントに関する責任追及を回避するための予防策(4)


従業員からハラスメントに関する申告があった場合、弁護士に相談する際の適切なタイミングはあるのでしょうか。
A.回答

基本的には、ハラスメントの問題が生じたときに、できる限り早く弁護士に相談していただきたいと思います。

使用者側の判断で、速やかに問題解決を図ろうとして動いたことが、後になって裁判上不利に働いたり、無用な紛争を引き起こしてしまったりということがあります。たとえば、調査不十分のまま加害従業員に不当な懲戒処分を行ってしまったり、被害申告を受けたときの対応の不手際について後になって指摘されたりするおそれが生じます。  

また、証拠保全という観点からは、ハラスメント行為の裏付けとなる証拠として重要な意味を持つ「当事者や周辺関係者の証言」を、各人の記憶の新しいうちにしっかりと確保しておく必要があります。人の記憶は時間の経過により簡単に失われてしまいますから、ハラスメント対策を講じる弁護士としても、貴重な証拠が残っているうちに保全しておきたいと考えています。

さらに、「第三者的」な立場にある弁護士をハラスメントの事実調査に関与させること自体が、従業員(加害者側・被害者側を含む)との信頼関係の形成につながり、紛争の拡大・長期化の防止につながることもあります。つまりは、事業主がどちらかの肩を持つような状況を作らず、弁護士がフラットな視点で適切に調査し、その調査結果に基づいた対応を行うこと、そして問題の所在にフィットした環境調整と今後の予防策を講じることで、被害従業員からの訴訟提起自体を回避して、和解など解決ができる可能性も高まります。

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