法人破産に関するご相談
弁護士法人シティ総合法律事務所札幌オフィスでは、法人破産に関する初回相談は無料とさせていただいております(ZOOMでの打合せ可能)
法人代表者にとって自ら育ててきた会社を破産させるということは非常に辛い決断かと思います。しかし、判断が遅くなればかえって負債が増え法人破産手続に必要な費用が不足し、手遅れになってしまうことがあります。
会社の資金繰りが厳しくなってきた段階で法律の専門家である弁護士にまず相談をお勧めします。
破産管財人としての豊富な経験がある当事務所の弁護士は破産管財人の目線から会社の経営状況を分析して、迅速に会社の財産を保全し破産申立てを進めます。また、法人(会社)の金融機関からの借入、リース債務や取引先等の債務の連帯保証人等となっている法人代表者個人の今後の生活についても併せてご相談ください。
※法人破産手続に関する費用については、当事務所ホームページの「報酬と費用」の「法人・事業者の破産再生手続」をご参考ください。
法人破産の流れについて
①弁護士に相談 当日~約1か月
- ・法人の負債額とその内容
- ・負債増加の原因と経緯
- ・租税公課の滞納の有無と状況について
- ・過去の法人収支状況・資金繰りについて
- ・従業員の人数と雇用状況・解雇の予定の有無
- ・法人の資産の種類(現預金、不動産、自動車、什器等)
労働基準監督署長から事実上の倒産(事業活動が停止し、再開する見込みがなく、賃金支払い能力がない状態)に当たると認定された場合には破産手続申立てをしていなくても立替払いが可能である場合がありますので破産申立てのタイミング・未払賃金立替制度について併せてご相談ください。
法人破産手続申立の要件となる支払不能・債務超過とは
支払い不能
弁済能力の欠乏のために債務者が弁済期の到来した債務を一般的、かつ、継続的に弁済することができない客観的な状態であり、一時的に資金繰りが回っていないだけでは、支払不能であるとはいえません。また、支払停止があった場合には、支払不能の状況であったものとして法律上推定できるものとされています。
※債務者が継続的に弁済することができない旨(支払不能であること)を外部に表明することです。
明示的な表明
6か月以内に2回以上の手形不渡りがあり、銀行の取引停止処分を受けた場合、事業所等(事務所・店舗・工場等)に支払いをすることができない旨の貼り紙をした場合など
黙示的な表明
事業所等(事務所・店舗・工場等)の閉鎖、廃業、弁護士から各債権者宛てに受任通知(支払停止する旨の通知)を送付した場合など
債務超過
債務者が法人である場合には債務超過に陥っている場合でも裁判所から破産手続開始決定を出してもらうことが出来ます(※債務超過によって破産要件を満たす規定(破産法16条)は合名会社及び合資会社には適用されません)。
会社が正常な状態
(資産超過:決算書の貸借対照表において、「資産の額」が「負債の額」を上回り、「純資産の額」もプラスになる。)
会社が危険な状態
(債務超過:決算書の貸借対照表において、「負債の額」が「資産の額」を上回る。)
「赤字」と「債務超過」の違いとは?
「赤字」とは損益計算書(会社の単年度の収益)において当期純損益がマイナス(当期純損失)になっている状態であり、「債務超過」とは貸借対照表(会社の財政状況の累計)において負債が資産を上回っている状態です。単年度の収益が赤字でも債務超過ではないこともありますし、逆に黒字だとしても「現金化の難しい資産が多く支払が滞る」「売掛金や受取手形が多くで手元に現金がない」「短期借入金が多く事業の収益よりも返済額の方が多い」などの場合には債務超過に陥る場合があります。②弁護士に正式依頼 約1週間~2週間
- ・債権者への対応(受任通知発送)
- ・従業員への対応(解雇予告、未払賃金立替払制度利用方法)
- ・財産の保全(預貯金、売掛債権、在庫等)
- ・事業用賃貸物件の明渡し等(賃貸人との交渉等)
破産手続申立準備のスケジュール
①破産手続申立てに向けて、正式に受任することになった場合には、法人の状況を踏まえた上で、法人の債権者らに一斉に「受任通知」を送付します。これは、破産手続が正式に開始される前に、債権者に破産予定であることを通知するためのものです。
ところが、法人の規模や状況によっては、受任通知を行うことで債権者からの連絡が殺到したり、各店舗や事業所に債権者が直接来訪したり、在庫を勝手に持ち出す、などといった混乱が生じる場合もありますので、場合によっては破産手続開始前の通知を行わない場合もあります。受任通知には、法人が債務超過または支払不能の状態にあり、裁判所に破産手続開始の申立てを行う予定であること、そして、以降法人への連絡は、担当弁護士宛てに行う旨の依頼文を記載します。
②法人代表者に破産手続申立書類(申立書・陳述書・目録(債権者、債務者、リース物件、租税公課、預貯金、保険、受取手形・小切手、貸付金、機械・工具・什器備品・在庫商品、自動車、不動産、電話加入権、有価証券等、敷金等)・労働債権目録)のわかる範囲でのご入力を進めていただきます。
③上記②と同時に破産手続申立てに必要な資料等の準備を進めていただきます。
- ・法人の履歴事項全部証明書または商業登記簿謄本
- ・破産申立てにつき会社の意思決定が適法に行われたことを示す書面
- ・取締役会議事録または取締役全員の意見の一致を証する書面など
- ・事業につき官庁等の機関の許可が必要な場合には許可証写し
- ・法人名義の預貯金通帳写し、当座預金取引推移明細表写し
- ・手形、小切手帳等の写し
- ・不動産登記事項証明書写し、固定資産評価証明書写し
- ・決算報告書(直近年度から順に過去3年分)
- ・就業規則写し、退職金規定写し、賃金台帳・給与明細写し
- ・総勘定元帳、買掛・未払金に関する請求書、売掛金に関する売掛台帳等
- ・棚卸表等写し
- ・自動車検査証写し
- ・契約書類写し(不動産、リース物件、レンタル品に関する賃貸借契約書・売買契約書等)
- ・保険証券・ゴルフ会員権等写し
- ・有価証券(出資証券、株券等)写し
- ・訴状写し、競売開始決定写し、差押調書写し
④弁護士が会社への現地調査
会社の事務所・店舗・工場等にある在庫、リース物件、レンタル品、自動車、不動産(駐車場、倉庫等)等の状況を正確に把握するため、弁護士が現地に赴き、調査します。
訪問時に上記③の会社資料を弁護士がお預かりし、資料を参考に会社の代表者・事務経理処理担当者から事情聴取を行い、破産手続申立書の作成を進めます。
※会社の財産を保全するため、事業停止後に迅速に弁護士が上記③の会社書類のほか、「代表者印・銀行印」、「会社の預貯金通帳、手形・小切手帳等の原本」「事務所・店舗・工場等の鍵」「車の鍵」「自動車検証の原本」等を代表者から預かり管理し、破産管財人選任後は弁護士から破産管財人に引継ぎます(法人財産は基本的に破産管財人以外の者が手を付けることが出来なくなるため)。
③破産手続開始の申立 約1週間~1か月
④裁判所による破産開始決定と破産管財人の選任 (④~⑥まで)約2か月~3か月
⑤破産管財人との面談
打合せでは今後の破産開始手続きの進め方、財産の内容(不動産、車両、在庫、リース物件、レンタル品等)についての詳細を確認されることもありますが、申立代理人弁護士が同行しているのでご安心ください。
⑥破産管財人による財産換価・債権調査・清算処理等の管財業務遂行
調査内容について破産管財人から破産者(法人代表者)、経理担当者らに聴取されることもありますので破産手続きが終結(廃止)するまでは破産管財へのご協力お願いします。ご不安なことがある場合には代理人弁護士に一度ご相談ください。
⑦債権者集会 (⑦~⑧まで)約2か月~1年
法人代表者にとっては、破産申立て後、初めて債権者側と顔を合わせる機会になります。また、債権者集会では、債権者から質問が出てくる場合もありますので、破産の経緯などについて、法人代表者が回答しなければならない場面も出てくるかもしれません。ただ、実際に債権者集会で、債権者側から質問が出る場面は限られており、質問が出そうな場合には代理人弁護士が法人代表者と事前準備をして臨むことになりますので、ご心配は無用です。
⑧配当手続(配当可能の場合のみ)
債権者への配当がない場合は、配当手続きを行わずに手続きが終了となります。
⑨破産手続の終結(配当がある場合)、廃止(配当がない場合)の決定が裁判所から交付され、会社登記が閉鎖される。
会社破産手続きの弁護士相談「お悩みの声」
会社破産の場合には、社会保険労務士への報酬が支払えず、退職手続きが滞ってしまい、管財人がその手続を進めることが良くあります。従業員のことを考え、弁護士と会社破産申立ての段取りを十分に確認して交通整理し、退職に伴う諸手続を早期に進めていくことをお勧めします。
このような、会社破産に係る従業員の退職手続を含めたご相談にもご対応いたします。