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シティ総合法律事務所のお悩み別FAQ

ご相談内容

成年と少年の刑事弁護活動で,大きく異なることはありますか?


弁護士からの回答

成人に対する刑事処分は,罪を犯した人に刑罰を科すことを目的としていますが,少年事件は,未成年者であることを考慮して,少年の健全な育成や環境調整を行うことを目的としています。
このため,少年意見の手続では,調査や審判の過程で,少年が将来非行を行う可能性があるか,少年の性格を矯正して非行可能性を排除できるか,保護処分を行うことが問題解決に有効であるか,といったことも考慮して進めていきます。
これに伴い,少年事件の弁護活動(少年事件では,弁護士が「付添人」として活動します。)では,少年の内省を深めるための活動,少年の非行の原因の洗い出し,家庭環境や交友関係の問題点の洗い出しを行うとともに,将来の少年の非行可能性を排除することにつながる,ありとあらゆる活動を行います。

場合によっては,両親が十分に少年を監護出来ない状態と判断されれば,付添人活動の一環として,生活環境を大きく変え,両親ではなく適切な監護者のもとで生活できるよう環境を整備したり,就労先を探したりする場合もあります。

このような,再非行防止のための活動がどの程度出来たのか,少年にとって有効と思われるのかによって,審判での処分も変わります。

仮に,非行事実自体がそこまで重たくないと言えるような場合であっても,少年の生活環境が劣悪で,適切な監護者もおらず,少年本人にも反省の色が全くないとなれば,家庭裁判所としては「少年院送致」の保護処分を検討せざるを得ないことになります。

ご相談内容

情状弁護とは,具体的にどのようなことをするのですか


弁護士からの回答

情状弁護とは,被告人が犯罪に関する事実を認めていることを前提として,刑事処分を出来る限り軽くする目的で行う弁護活動です。
当法人では,元検察官の弁護士中村の捜査官としての経験を踏まえ,被告人が二度と犯罪を行わないために有益な活動に注力して,弁護活動を行う方針をとっています。
大きく分けると,以下の観点からの活動があります。

1.犯罪行為に及んだ原因の究明と将来の再犯防止に向けた活動
2.被告人の内省を深める活動
3.被害者が居る犯罪の場合は,被害回復に向けた活動

1.では,被告人や周囲の家族らの聴き取りを行った上,犯罪行為に及んだ原因が,明確な外的環境にもとづくものなのか,被告人本人の依存症によるものなのか,何らかの治療や専門家の指導のもとでのトレーニングが必要なのか,視野を広く持って,様々な問題解決に向けたアプローチを行います。

②その上で,被告人自身が犯罪行為をしっかりと認識してもらうよう,自分の行動の認知を促し,内省を深めてもらいます。具体的には,対話のほか弁護士がすすめる書籍を読んでもらったり,専門家との面談を設定したりなど,色々なアプローチを測ります。

1.③被害者が存在する犯罪であれば,被害回復に向けて最大限努力することは必要不可欠です。当法人札幌オフィスの弁護士中村及び弁護士奧野は,公益活動として犯罪被害者支援を継続的に行っており,日ごろから「被害者の立場として」事件をどのように受け止めているのかを理解した上での弁護活動を行っています。

1.こうした観点から,被害者の心情に配慮しない的外れな弁護活動は一切致しませんし,被告人の被害感情に対する認識が甘いと感じた場合には,率直に伝え,被害感情に配慮する姿勢を伝えます。