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上司からセクハラをされたと、女性従業員から会社に相談がありました。上司もセクハラの事実を認めているので上司を解雇しようと思いますが、問題はありますか?
懲戒解雇処分ということだと思いますが、何らの指導や処分もなく解雇した場合には、不当解雇となってしまう可能性があります。
そのような事実があった以上、適切な指導をしないと会社としても使用者責任を問われてしまいますので、毅然とした指導と何らかの処分を検討する必要はありますが、解雇の前に、より軽い処分で再発防止と女性従業員の理解を得ることができるか、慎重な検討が必要です。
未払残業代の裁判を起こされ、当社は、固定残業代を払っていたので未払いはないと主張していましたが、認めてもらえず、固定残業代も基本給扱いにされて、その1.25倍の未払残業代の支払いを命じる判決が出てしまいました。 他の従業員からも同様の訴訟を起こされる前に、就業規則を整備したいと思いますが、どんな点に注意したら良いでしょうか?
ご指摘のようなケースが相次いでおり、固定残業代の支払には注意が必要です。
固定残業代として認めてもらうためには、毎月残業時間を計算して、固定残業代を超える残業代が発生している場合にはそれをきちんと支払っておかないと、固定残業代としては認められず、基本給に組み込まれて判断されることになってしまいます。
ですので、もし固定残業代を支払うのであれば、何時間分の固定残業代であり、不足する分はきちんと精算することを就業規則にはきちんと明記しておくべきです。
また、就業規則を従業員に不利益に変更する場合には、なるべく全員の同意を取り、ただ、それが不可能な場合には、一人でも多くの従業員の了解を取り、変更後の就業規則をきちんと周知しておくことが必要です。
就業規則をせっかく変更するのであれば、これを機に、ほかに会社でどのような問題が発生する可能性があるか慎重に検討し、これらを網羅的に予防できるきちんとした就業規則を弁護士か社労士に作成してもらうことをお勧め致します。
通常、インターネットや書籍等で出回っている就業規則は、従業員に有利に作られていることが多く、そのまま使うとかえって使用者に不利になることが多いので、絶対に辞めてください。
モデル就業規則例 【pdfダウンロード】
就業規則のデータを5万 円(税別)で販売もしております。
各社の実情をきちんとヒアリングして全面改訂し、各社オリジナルの就業規則をご作成いただくことをお勧めしますが、その場合、会社の規模に応じて、20~30万円(税別)を目安とする料金を要します。
当社の従業員のほとんどが有期雇用社員です。今後も新たに有期雇用社員を雇用しなければなりませんが、法改正があって、今後は安易に雇い止めをすることができなくなったように聞きました。どんな点に注意したらよいのでしょうか?
今般の法改正よりも以前から、有期雇用写真の更新拒絶(雇止め)については、判例によって一定の制限がなされていましたが、今般の労働契約法の改正により、従来の判例法理の趣旨がそのまま明文化されました。
具体的には、
①従業員が契約更新を希望しており、
②過去に反復更新された有期労働契約で、雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められる場合か、あるいは、従業員において、有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められる場合に、
③使用者が雇止めをすることが、『客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき』には、雇止めは認められず、従前と同一の労働条件で、有期労働契約が更新されることになります(労働契約法19条)。
また、今般の法改正で、新たに無期労働契約への転換の制度が設けられました(労働契約法18条)。
これは、同一の使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて反復更新された場合には、従業員からの申込により無期労働契約に転換するという制度です。
但し、平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約が対象となります。
無期労働契約に転換された場合には、通常の解雇権濫用法理が適用されることになります。
分かりにくい内容かもしれませんが、有期雇用社員が多数を示す会社にとっては死活問題となる重要な内容ですので、間違いのないよう、お気軽に弁護士にご相談ください。
インターネット上で誹謗中傷を受けた場合、どんな対応ができますか?
①投稿された記事の削除、②発信者情報の開示を求めることができます。また、投稿者を特定した後、損害賠償請求が可能です。
削除を求める場合、誰に請求すればよいですか?
ブログ等投稿した人が特定できる場合には、投稿した人に直接削除を求める方法があります。
掲示板や匿名での口コミサイトなど、投稿した人物がわからない場合や、投稿した人物による削除が期待できない場合には、ウェブサイトの管理者や運営者に対し削除を請求します。
投稿者やサイトの管理者に削除を求めた場合削除に応じてくれますか?
投稿者を特定でき、かつ直接請求できる場合には、訴訟外で削除に応じることがあります。投稿者にとっては後から賠償請求されるリスクを負いたくないからです。しかし、投稿者がわかっているケースは多くはありません。
次に、投稿者以外に請求する場合(サイトの管理者や運営者等)、削除に応じるか否かはサイトの管理者や運営者の判断次第です。ウェブサイトによっては、個人のプライバシー侵害であることが明らかな場合等、一定の場合には削除に応じてくれる場合があります。また、利用規約やポリシーに違反する場合も削除に応じてもらえます。
しかし、ウェブサイトの管理者や運営者は投稿者ではないので、権利侵害の判断が難しい場合には、削除には応じてもらえません。
任意の削除に応じてもらえない場合、どうすればよいのですか?
裁判所に対し、削除仮処分申立てを行う方法があります。
削除仮処分申立てができるのはどのような場合ですか?
人格権が違法に侵害された場合です。
人格権とはどのような権利ですか?
名誉権、プライバシー権、肖像権、氏名権などです。
名誉権の侵害は、名誉毀損と名誉感情の侵害があります。名誉毀損は、具体的な事実を適示され、社会的評価が低下する場合に成立します。名誉感情は、具体的な事実適示を伴わない場合です。例えば、「バカ」、「アホ」などといった侮辱を受けた場合です。
プライバシー権は、
①私生活上の事実であり、
②公開してほしくないと思われる内容で、かつ
③未だ知られていない事実をみだりに公開されない権利です。
この要件を満たす場合プライバシー侵害となります。
肖像権は、みだりに自分の容貌を写真に撮影されたり、その写真を公表されない権利です。
氏名権は、氏名を他人に冒用されない権利です。
削除仮処分はどのような手続きですか?
削除の仮処分は、裁判所を利用した法的手続きで、通常の裁判とは異なり、仮の地位を定める手続きです。しかし、「仮に削除せよ」という判断がでると、ウェブサイト側は投稿記事を削除することがほとんどですので、裁判よりも迅速に投稿記事の削除を実現することができます。
手続きは、仮処分申立書の作成し裁判所に提出します。その後、審尋期日が開かれ、裁判所が双方の意見を聞きます。そして、仮処分を認める場合、裁判所は必要な担保金の供託を命じるので、法務局に担保金を供託します。
投稿記事の削除の場合、担保金は30万円が相場です。担保金を供託すると仮処分命令が発令されます。
仮処分命令が発令されるとほとんどの相手は投稿記事の削除に応じます。